間違いだらけの職務経歴書

職務経歴書見てる時間は1分
人事より回ってきた中途採用希望の職務経歴書を部門での採用担当者として審査することが多い。自分自身も書いた経験があるからわかるが、書く時はそれはそれは時間をかけて良く考えながら、いろいろなハウツーサイトを見ながら模範となる書き方をしていると思われる。
しかし、それを見る側に立ってみると、これがまたとても印象に残らない。本業の傍ら、はっきり言って職務経歴書を見る時間はせいぜい1分。生い立ちから現在までざざっと流す。きらびやかな学歴と整然と職歴が記されている。が、どれもこれも画一である。おそらく転職アドバイザーが時間をかけて添削しただろう。しかし思うほど響かない。
1分間に何を見るか?ポイントは、オフィシャルな実績、数値実績等
では、どういうところに目がいくか。以下は例えばであるが、①学会発表実績 ②論文発表実績 ③特許出願実績 ④公的な活動による表彰 ⑤現職社内での数的実績
これらは一例ではあるが、公的なアウトプットは客観的に見ても妥当な実績として見えやすい。
また現職での成果をアピールする場合は、具体的な数値を示しておいた方がいい。例えば、**の新しい取り組みをリーディングした結果400億円の経費削減に成功した。とか、お金の成果は万国共通なのでわかりやすい。
現職社内での活躍は書面から本当かわからない
通常職務経歴書では社内での実績等が列記されているが、所詮他所の会社の事。実際がどんなものであったか知る由もない。嘘でなければどんなポンコツでもその業務にちょっとでもかじってさえいれば「マルマルをやりました」とドヤ顔で言えます。嘘では無いですから。ただし、”ポンコツでしたがね”・・・の部分は知る由もない。
そんな事から、どんな他所の会社で社内で頑張ったことが書いてあっても、当然参考にはするが、それを決め手にするには厳しいものがある。なので、前記の通り、数値で示せる成果を記載しておくことをお勧めする。
中途の場合、一流大学卒キラキラ経歴=フリーパスではない。
これも注意してほしい。全く畑違いの業界を歩んでいる人から、キラキラな、私自身が嫉妬してしまうほどのthe素晴らしい経歴書が飛んでくることがある。しかし容赦無くNGを出す。どんなに優秀な学校を出て素晴らしい職歴でも全く畑違いの業種からの応募もなかなかOK出しにくい。
転職回数は30代前半なら1回が限度か。転職チケット枚数は限られていると思った方がいい
この辺は採用担当の考えによって異なるが、少なくとも筆者とその周辺の管理職の意見を総合すると転職回数は院卒30代前半で1回が限度か。学卒なら22歳で社会に出てることを鑑みると2回?それ以上になると、それぞれのキャリアの深みがなく見えてしまい、触手を伸ばしにくい。
例えば2年サイクル等で繰り返している経歴書とか見ると、結局今回採用してもまた2年程度で出ていくかもしれないという目で見るので。転職は慎重に。一度決めた会社は安易に辞めることなく一定期間は働いてキャリアを積む覚悟で。
チャレンジは30代前半までに済まそう!
最後に年齢。30代後半は厳しいか。30から35くらいだと、中途できてもらって軌道に乗ったところで、順調に行ける人であれば管理職候補に押し上げられる、という考え方ができる。30代後半が厳しいと言ったのは、採用後のキャリアを考えてのこと。
こうやって書くと、ほとんどがパスしなくなってくるが、別のエントリーでも書いたが”マッチング”がとても大事で、マッチングしないのに合格させることも、これまた、応募者の人生に無駄な1ページを発生させることにもなる無責任な判断なのである。不合格と言う優しさ。不合格と言う救いの手なのである。
基本的に、全ての社員が管理職候補であるので、中途でも採用した後のキャリアを考えて選考することを心がけている。