新卒５年目までの若手が危ない
大手企業へ入社する若手のミスマッチが激しい。今、５年生までの離職が止まらない。。原因の一つが大手企業に蔓延するリクルーター制度がもたらす深刻なミスマッチ。このリクルーターというのを側で見ていて謎が多い。今は多くの新入社員はリクルーター制度を通って入ることが多いと思うが、問題はそのリクルータ自身。女性をとにかく取れ、とか、東大、早稲田大学、慶應ならなんでもいい。という妙なタスクをOB達が受け、学生本人が望まなくても、無理やり引き込む。
東大、早慶なら誰をとってもピカピカか。。。
はい。勿論ピカピカの人も多いのは間違いない。がしかし、やはり、必ずしもそうではない。私は、鬱を患う社員を預かることになった。発病の原因は仕事が面白くなくきついというもの。普通考えると、好きで入った会社じゃないのかと思うが、話を聞くとそうではない。業務そのものではなく、会社の社名のブランドを見て入ってきたと。ここまで正直にいう社員も珍しいが、しかし、実際そうなのであろう。これは完全な就職時のミスマッチである。
昭和の爺よ。マッチングの意味を噛みしめよ
今会社は「マッチング」という言葉を噛みしめないと、昭和の時代のように、入りさえすれば後は死ぬ気でついていって、という時代ではない。働き方が自由な時代の中で、昭和の浪花節は通用しない。入社時にしっかり本質的なマッチングを済ませないと、多くの場合５年以内にイメージの不一致を理由に退職を申し付けられるだろう。話の多くは入社時の希望と配属先があまりにも異なることによるデモチ。昭和の爺は「何を言う、早見優。人事とはそう言うものだ。そうやって好む好まざるを関係なくやり抜いてこそ・・・・」ハイハイ。時代は変わったんです。マッチングされてモチベーションと自信を付けさせて、そして、新たな仕事にチャレンジさせると言う昭和の爺には「甘い！」と言うアプローチを取らないと、組織の崩壊はどんどん進む。
非正規従業員多用が若手の勤労意欲を削ぐ
更に今、人件費削減のために外国人の請負を使うのが流行になっているが、彼らが親身になって日本のことを考え、会社の将来のために骨を折るかと言えば否である。誤解無いよう言っておくが、彼らは勤勉でありとても従順で、決められたタスクをこなすことに問題はない。しかし彼らは最後は他所の人。いざとなれば会社の都合といい撤退していく。会社も口では”人財”と言いながら、経済の原則の中で貴重な日本人ベテランを高給を理由にどんどん駆逐し、安い外国人に日本人と同じアウトプットさせれば、丸儲けというエクセルの中の正論で正社員率を下げてきたツケがそろそろ回ってきた。そんな中で露頭に迷う若手のロールモデルも存在せず、自分を見失い退職を決意する。そういう事例も見え始めてきた。
結局最後は正規従業員
どれだけの人が気がついているのか。いや、気付いているがビジネスの原則でわかって押し付けているのかもしれない。会社の組織を左右させる人事部門でも総論は理解していても、各担当レベルの仕事となると、とはいえ組織とビジネスの原則に従い思いに反することをやってるんだろうと想像できる。前述のように、安価な労働力でアウトプットできれば良いが、実際は責任感を持ったアウトプットが出ることは少なく、結局最後の尻拭いは正規従業員が行うのが常である。私も、何社もの会社に途中で投げ出され逃げられた。これらのリカバリーに追われる限られた正規従業員の精神的負担は計り知れない。退職理由のいくつかは、その行末を案じ、若いうちに職を転じておこうと言うものだ。経営者よ、事実は現場にある。それとも、それをわかった上であえて知らない顔をして正論吹くのが経営だと思ったら、それは将来組織が崩壊した暁には、立派な戦犯の一味として名を残すだろう。
